愛猫の腎臓病とうまく付き合っていく・・・我が家の場合

高齢猫に一番多いと言われる病気が慢性腎臓病(腎不全)と言われています。我が家の猫の付き合い方を紹介します。

慢性腎臓病(腎不全)

猫の死因で一番多いと言われている病気です。

慢性という言葉からわかる通り、徐々に腎機能が低下し、最終的には機能しなくなる病気です。そして、腎機能は再生しない臓器とのことのため、一度悪くなってしまうと修復がきかなくなります。高齢猫にとっては避けては通れない病気のひとつです。

修復がきかないことから、完治することはなく、いかに腎機能の低下をゆるやかにしていけるかが大事となります。

私は実家の猫を腎臓病でなくしていることから、後悔しない治療をしようと思っています。

愛猫との別れ、彼女が最期に私に残してくれたこと

学術的なことや詳細な症状、原因、対策等は他のサイトにおまかせするとして、ここでは私の猫の場合をご紹介します。

我が家の猫の場合

私の家では現在3匹の猫が生活をしています。

その中でも長老にあたるのが、本名たま、通称たまひゃんです。元野良猫の三毛猫(もちろんメス)です。パステル三毛ってやつですね(たぶん)。

たまひゃんは6年前に我が家にやってきました。元飼い猫後、事情があり野良生活を数ヶ月した後、我が家にやってくることになりました。我が家に来た当初は警戒心マックスで、シャーにパッパッの連発。触れるようになるまで2週間はかかった気がします。

保護した時点で歯はなく、おそらく10歳は超えているだろうと言われました。(歯は、しっかりと処置がされていたため、病院で抜かれたんじゃないかと言われました。理由は不明です)

そのため、すでに若くとも16歳、もしかしたら20歳近い年齢の可能性もあります。

今では寝るときは私の腕を枕にして寝るような甘えん坊となっています。日中はほぼ寝ていますが、遊びも好きだし食べるのも好きないつまで経っても変わらないたまひゃんです。

ただ、他の猫とは折り合いがあまりよくなく、今も別部屋で隔離しています。(隔離のメインの目的は、たまひゃんの療法食を他の猫が食べてしまうことにありますが・・・)

以下は珍しく他の猫と一緒にいる様子。

生活の変化

少しおかしいなと思い始めたのは1年前くらい。

トイレ掃除のときの匂いがあまりしなくなってきたことと、尿の量が多かったことです。その後、経過観察していると水を飲む量やトイレの回数も増えたように感じました。

実家の猫がかかっていることもあり、少し知識があったとはいえ、その時は変化はわずかだったため少し気にしている程度でした。

病院に相談

別の用事で病院に行った際に先生に相談してみたところ、一回見せてほしいということで連れていきました。

そのときに血液検査を行ったのですが、その時点ではすべての値は正常の範囲内。確かに腎臓病にかかわる数値が高めではあるため、食事を変えて対策していったほうがいいというアドバイスでした。

その後、仕事の事情で引っ越し、新しい病院でみてもらった際に、毛艶が悪いことから脱水症状があるのではと言われました。毛艶の悪さ=脱水症状は腎機能が低下しているからおこるとのこと。

まずはしっかりと状態を把握するため、尿検査をしましょうということになりました。

尿検査

猫の尿をとるってなかなか難しいんですよね。特に朝から夜まで仕事漬けの人間としてはとるタイミングはない。

ということで、有給をつかってたまひゃんを常に監視しながら尿をとるという荒業を使いました。尿をとる際は100均のおたまを使ったらばっちりとれます。

採取した尿をもって病院へ行って検査してもらった結果、尿比重が1.015という数値でした。

一般的には1.035以上であれば問題ないといわれるとのことで、やはり腎機能が低下しているということがわかりました。しかも、低下し始めではなく、すでにかなり低下している状態とのことです。

治療

尿検査であらためて腎機能の低下が数値となってわかったことから、どう付き合っていくかを先生と相談しました。

前述したように、完治する病気ではなく、いかに低下を遅くするかが治療方法となります。先生とも相談した結果、まずは点滴と食事改善から行うことにしました。

定期的な点滴

猫の点滴は皮下輸液といわれ、その名の通り、体に直接輸液するのではなく皮膚の下に輸液することを指します。猫だと首の後ろの皮膚を持ち上げて針を指しますね。

腎機能が低下すると、腎機能が正常であれば吸収できるはずの水分の多くが尿で排出されてしまい、体に水分が足りなくなり脱水状態となります。脱水状態ってなかなか目では分かりづらいですが、毛並み、毛艶が悪くなる(=毛がパサパサしている)ことで判断もできます。

点滴は水分を体に(強制的に)送り込むことにより一時的に脱水していない状態とすることができます。たまひゃんも点滴を行うことで一時的に脱水状態が緩和され、毛並みもよくなりました。でもそれは一時的なため、1週間程度でまた毛並みが悪くなってきます。

そのため、定期的に点滴を行い脱水していない状態を維持することを目指します。たまひゃんは、週1回の点滴を行うことにしました。

食事改善

今までは老齢猫用の普通のドライフード(たまにウェットフード)を与えていましたが、療法食も混ぜて与えることにしました。

病院でいくつかサンプルをもらって、与えてみた結果、ヒルズのk/dが(療法食の中では)一番食いつきがよかったため、まずは今までの食事にそれを混ぜて与えることにしました。ただ、どうしても療法食だけだと食いつきが落ちてしまうため、今は療法食ではない腎臓病に良さそうなフードを混ぜて与えています。

その後、ロイヤルカナンの腎臓サポートも追加したり、少量だけ通常の食事を混ぜるなどの工夫をしてきました。

もともと食欲は落ちていなかったのですが、食事を療法食中心に変えても、尿検査した当時の体重3.5kgが現在では3.8kgになっています。

投薬の開始

ひとまずは点滴と食事改善から治療を開始しましたが、3ヶ月後に投薬を開始することになりました。

毎週の点滴時に簡単な触診等も行っていたのですが、その際に心臓に雑音が聞こえるということから超音波検査を行いました。その結果、心筋が通常よりも厚く、心筋症ではないかということがわかりました。

心筋症は徐々に症状があらわれるわけではなく、急に後ろ足が動かなくなる等、最悪の事態が突然起こる病気らしいです。

治療法も内服薬が主流ということで、たまひゃんも投薬をすることにしました。幸い、心筋症、腎臓病の双方に効能がある薬があるらしく、それを毎日半錠づつ飲むことにしました。

ベナゼハートという薬で、ベナゼプリルという心臓病の定番薬のジェネリック品とのことです。ジェネリック品は少しでも安く手に入るために、家計に助かります。

1年続けた結果

先日血液検査を行いましたが、結果は同程度の数値を維持できています。

腎臓病の際に注意する値としてBUNとクレアチニンがありますが、それぞれBUN=29.2、クレアチニン=1.42でした。BUNは1年前が0.2上昇、クレアチニンが0.01減少ということで、ほぼ数値はよこばいです。

血液検査上は腎機能を維持できているように見えますが、今度は尿検査で尿比重をはかってみようと思います。

治療にかかる費用は?

治療を続けるにあたって大事なのは費用です。

たまひゃんは保険にはいっているわけではないので、毎週の点滴となるとそれなりに費用がかさみます。以下がおおよその毎月かかる費用です。

  • 点滴(週1回):2500円/1週×4回=10,000円
  • 薬(2週に1回):2500円/2週×2回=5,000円
  • 合計:15,000円

確かに、毎月15,000円となると結構な出費になりますが、これでたまひゃんが少しでも長生きできるのであれば安いものです。

まとめ

高齢の猫にとって、腎臓病はきっても切り離せない病気です。

腎機能は修復することはないので、いちばん大事なのは早期発見早期治療です。いわゆるEDER。どれだけ兆候をはやく見つけられるかが長生きできる一番の薬といえるでしょう。

定期的な健康診断や尿、食事の変化もしっかり見逃すことないようにしたいですね。

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